あとがきにかえて

「そうじのじかんを書いてみませんか?」
この募集があったとき、一も二もなく手を挙げた…わけでは、本当はなかった。


自分の考える「心」をキレイにできる「もの、こと、ひと」。
書いてみたい、という気持ちはあったが、いかんせん、普段はなんの変哲も無い会社員である。
まとまった文章を書く機会から遠ざかって久しいどころか、普段はSNS さえ手をつけていない有様だ。
なかなか一歩を踏み出せないでいた。

そんなときの、一本の電話。

「自分が取材するから、君が書きなよ。」

電話の主は、普段から行動派の人物である。
まあそう言うなら…私よりよっぽど伝えたい思いやテーマがあるのだろう…
この一言に後押しされる形で手を挙げたのが始まりだった。

今思えば、はて、本人が書けばいいのでは、と思うのだが。
思いもしなかったのだ。

この人物が全く動かないなどということは。

フタを開ければ、肝心の本人は徹頭徹尾、非協力的な態度を貫いた。
え?そんなこと言ったっけ?勘弁してよ今忙しいんだからさあ、くらいなものである。
普段から「マラソン一緒に走ろうね♡」と言いながら即コースアウトしてスタバに
入っていくような奴だということを忘れていた。
いっそお前を「そうじのじかん」してやろうか?と○意を覚えること幾星霜。
もうコイツはあてにならんと、ゆっくりながらも、自分の思うまま、
最初から書きたかったことを綴り始めた。

文章を書くというのは、不思議なことだ。
自分の伝えたい思いを、わかりやすく書こうと思うほど、
自分の中に、あるいはかつての風景の中に、思いが広がり、
やがてつたないながら、自然に指先に収斂していく。
そのとき自分がどう感じたのか、どんな人に出会い、どんな空気に触れたのか。
わたしは何を大切にしているのだろう。こころの中を整理しながら書いていく。

なるほど、これこそが「そうじのじかん」か。

一人合点がいった頃、書き上げることができた。

くらしを見つめ、静かに向き合う。
そんな機会を得られたことに(決して言い出しっぺの彼にではなく!)感謝をしつつ。

少しでもお楽しみいただければ幸いです。
クスッと笑って、皆様のこころの余白になりましたら。
最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。

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